公開日 2018年11月19日 最終更新日 2021年9月25日
腕時計大好きなシャマブンです。
みなさん”スプリングドライブ”って聞いたことありますか?
セイコーの腕時計に搭載されている独自機構のことです。
セイコーの腕時計の中でも、グランドセイコーと呼ばれる高級価格帯の一部で採用されています。
このスプリングドライブですが、高い技術力が可能にした画期的な機構なんです。
この記事では、そんなスプリングドライブの魅力について紹介します。
目次
1. スプリングドライブは機械式とクォーツ式のハイブリッド
腕時計の種類には、機械式とクォーツ式の2種類があります。
詳しく知りたい方は、腕時計の基本!機械式とクォーツ式って?の記事をご覧ください。
簡単に紹介しますが、腕時計の動作のポイントには動力と制御の2点があります。
機械式とクォーツ式はそれぞれ異なる動力と制御方法を備えており、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
機械式の特徴
- 動力
ゼンマイが解ける力を動力としている - 制御
テンプの規則正しい振り子運動で時間を制御している - メリット・デメリット
ゼンマイの力が強いので太い針が使えるが、精度は日差±20秒と誤差が大きい
クォーツ式の特徴
- 動力
電池を使った電気エネルギーを動力としている - 制御
クォーツ(水晶)が持っている規則正しい周波数で制御している - メリット・デメリット
月差±20秒と誤差は小さいが、力が弱いので太い針は使用できない
この2種類のハイブリッドというわけです。
つまり、動力にゼンマイを採用することで太い針を使用できるようにし、制御にクォーツを採用することで時間の誤差を少なくしています。
2. ゼンマイを採用すると太い針だけでなく色々なことに使える
動力にゼンマイを採用することで歯車を動かす力が強くなり、太い針を動かすことができるようになるのは述べたとおりです。
しかし力が強いことのメリットはそれだけではありません。
歯車を動かすシステムなら採用できる幅が広がるということです。
今では当然のように使っているカレンダー機能だって歯車で動かしていますし、クロノグラフだってムーンフェイズだってそうです。
より複雑な機能を追加するためには、歯車を回す十分なパワーが必要なのです。
3. ICやクォーツを動かすための電力もゼンマイで作っている
ICやクォーツを動かすには電力が必要です。
この必要な電力を、ゼンマイが解ける力で発電しています。
自転車のライトが点く原理と同じですね。
わずかに発生する電力を、上手に使ってICとクォーツを動かしています。
4. 時計好きを虜にするなめらかなスイープ運針が魅力
機械式とクォーツ式で秒針の動きも違います。
機械式はよく見ると、1秒の間に細かく動いているのがわかります。
これをスイープ運針と言います。
一方クォーツは1秒ずつ動いていますよね。
これはステップ運針と言います。
スプリングドライブはどちらとも違います。
ぜひ実物を見てほしいところですが、文字で表現すると「スー」という感じです。
機械式がよく見れば細かく動いているのに対し、スプリングドライブは動作の切れ目が見えないのです。
このなめらかなスイープ運針が魅力なのです。
ずっと見ていたくなるほどです。
なぜこのようなスイープ運針が可能なのでしょうか。
機械式がガンギ車という歯車で、断続的にゼンマイの解ける力を制御しているのに対し、スプリングドライブではICで制御しているからです。
ICで歯車の速度を一定に保つことにより、なめらかな運針を実現しています。
これも電気制御の賜物なわけです。
動きをICで制御しているので、時間のズレも月差±15秒と高精度となっています。
スイープ運針は本当にすごいので、お店で見かけたらぜひ普通の機械式の動きと比べてみてください。
5. 連続動作時間は機械式と同レベル
スプリングドライブは動力がゼンマイですから、定期的にゼンマイを巻き上げてやらないと止まってしまいます。
スタンダードモデルで約72時間動きますが、手巻き式のモデルではなんと8日間動くようです。
とはいえ、電池式なら何もしなくとも2年は持ちますから、ここだけはデメリットと言えそうです。
機械式に慣れている方なら問題ないですね。
6. おわりに
スプリングドライブの魅力について紹介しました。
機会があれば、なめらかなスイープ運針をぜひその目で確認してみてください!
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